今週は公営企業委員会にて令和4年度予算案などの審議がつづきました。

公営企業委員会は、交通局、水道局、下水道局の3局を所管していますが、大きな特徴として、都営バスや都営地下鉄、上下水道などの事業を直営でおこなっている点があります。

私自身、民間企業の経営に長く携わってきましたが、「民営と公営の違いとは何か」を意識しながら、事業理解を進めています。

私の質疑のポイントは以下。

コロナ禍で都営交通は毎年300億円を超える利益がでていたものが、客数の減少により昨年度は254億円の赤字に転落しました。これを2022年からの3ヶ年の経営計画でどのように回復させられるか。私からは投資の抑制や経費削減に加えて、収益の柱を増やすべく都営地下鉄の駅構内空間の商業利用を進めるよう提案しました。

一方で水道や下水道については、生活困窮者や売上減少によって苦しむ事業者への支払い猶予をおこなうようコロナ禍の当初から求め、またそういう制度があることを料金通知や市町村広報などを利用して周知するよう求めてきましたが、これらを継続しつつも、首都直下地震や大規模水害などを念頭に、耐震化や浸水対策を進めること。

特に多摩地域の上下水道は、その歴史的な経緯から、区部に比べて脆弱性があるので、給水管のネットワークを構築して、災害時にバックアップできる体制をつくり、老朽化した浄水場なども計画的に更新すること(青梅市内でも千ケ瀬と新町でそれぞれ事業が進んでいます)。

労務管理については、私自身経営者として制度設計や運用に携わってきたためとりわけて関心がありますが、公務員のなかでも数少ない労働基準法の対象である3局に対し、超過勤務の管理体制の不備について修正することを求めました。

青梅市と奥多摩町には多摩川を利用した水力発電所があり、50年以上運営されているのですが、経営状況はとても健全です。このたび大規模な施設更新が行われるのですが、都内産のクリーンな再生エネルギーの生産効率を、技術的な観点から向上させること。(なお、来年度からすべての都バスの営業所で、ここで生産した電力が使われます。) 

常任委員会での4日間にわたる審議が終わり、ひとまず山を超えました。来週行われる予算特別委員会の締めくくり総括質疑を政調会としてとりまとめる作業が残っています。もう一踏ん張り頑張ります。